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未開だったコンシューマRPGの広野を行く

この記事は、『ドラゴンクエストXI』を最大限に楽しむために、シリーズの変遷を回想していくシリーズ記事です。再掲載となります。




ジョーンズ
こんにちわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

最新作『ドラゴンクエストXI』について、まったく食指が動かない。最新情報が出るたびに「はあ…」という感想しかないという状況。過去作は好きだったのに、なんで今回はこんな感じなのか。同じようなテンションの方も多いのではないでしょうか。

あなた、高確率で呪われています。

最近、でどころのあやしいレトロゲームを中古で買いませんでしたか?そして、そのレトロゲームを手放せなくなっていませんか?

あなた、高確率で呪われています。

本来ならば、教会に行って高いお金を払って呪いを解く、もしくは相当なレベルの魔法使いの方にシャナクをかけてもらい呪いを解くしかないのですが、こちらのブログでは過去作を振り返りながら、「あいのおもいで」を取り戻すという民間療法を行なっています。なーに、お代はいりません。あなたのココロのスキマお埋めします。

てなわけで、

今回から数回にわたって、ドラゴンクエストシリーズを振り返って発売に向けて段階的にテンションを上げていく企画を進めていきたいと思います。



(イヤホンをつけて音楽もお楽しみください)



それはまさに、「旅」だった。
redline

『ドラゴンクエスト』は、ファミコン少年少女たちにPCで流行っていた「RPGの面白さ」の伝えるために作られたゲームでした。そのため、「RPG初心者向けの入門」として非常にていねいにつくられています。

そのゲームデザインは、フィールドを歩くのが楽しい『ウルティマ』と、戦闘が燃える『ウィザードリィ』というクラシックRPG二大名作の長所をそれぞれ持ち寄った、オマージュ的な作りともいえるものでした。

『ドラゴンクエスト』には、今日のRPGでは当たり前となっている「仲間」が存在しません。プレーヤーの分身である主人公だけです。

その点をもって「RPGとして物足りない」と思うのは早計です。旅行に例えてみましょう。旅行だっていろいろな楽しみ方があります。気の合う友達と行くもの、家族と行くもの、恋人と行くもの、そして一人で行くもの。それぞれに味わいがあり、正解はありませんよね?

もちろん、同作が発売された1986年の時点でPCゲームのRPGはパーティ制のものばかりでしたが、ファミコンという子供向けゲーム機のユーザーに向けた「入門編」ということで、パーティ制などは理解が追い付かないと考えて、あえて「主人公1人」という決断をしたところに、時代を読んだ堀井雄二さんの凄さともいえます。

『ドラゴンクエスト』は、一人旅のような面白さがあるゲームでした。

主人公である勇者ロトの末裔は、アレフガルド王より竜王討伐の任を与えられ、旅に出ることになります。はじまりの町ラダトームからザッザッザッと一歩外に出ると流れるのは、すぎやまこういち氏による「広野を行く」。

どことなくもの悲しさがあるこの曲は、プレーヤーの心情にマッチしたものでした。それは、心細さ。そう、『ドラゴンクエスト1』の醍醐味とは、「心細さと向き合うこと」といえるでしょう。

ラダトーム周辺にいる敵は弱いとはいえ瞬殺できるようなものではなく、1回の戦闘でこちらのHPも結構減ってしまうほど。そんな装備で大丈夫か?そんな装備しか買えねえんだよ!という状態で、町周辺で戦闘をくり返し、お金と経験値を貯めていく。

レベルが上がる、もしくは新しい装備を手に入れると、苦戦していた敵をラクに倒せるようになり、行動範囲が広がっていく。とはいえ、油断は禁物。探索の帰りのHPや薬草の残量まで計算しなければ死んでしまいます。だって1人ですから。1人で考え行動しなければなりません。

仲間がいるということは、必ずしもいいことではありません。1人という状況は、責任と決断を学べます。心を強くします。

そういう意味で、『ドラゴンクエスト1』はシリーズで唯一、主人公とプレーヤーのシンクロ率が高く、プレーヤー自身も主人公といっしょに強くなっていく成長を感じられる作品だと、今になって思います。

行動範囲は少しずつ広がっていき、アレフガルドを旅していく。その1歩1歩は、主人公の無数の決断と死線をくぐりぬけてきた経験の積み重ね。だからこそ尊い。自分の足で、自分の力だけで歩いてきた足跡なのです。

ロトの祠でたくされる勇者のロトの意志、使い方次第で役に立つ銀の竪琴、廃墟に眠るロトの鎧、ドラゴンに守られし捕らわれの姫、要塞の町、昨日はお楽しみでしたね、迷路のような山道、山間の温泉村マイラ、昨日はお楽しみでしたね、虹のかけ橋、昨日はお楽しみでしたね…。

リムルダールで装備を整え、並みいる強敵との連戦を潜り抜け、地下奥深くで待ち受ける竜王と対峙する。不安はある。しかし自信もある。二段階変身があると知った時の絶望。それでも立ち向かう勇気。そう、『ドラゴンクエスト』とは、まさに勇気が試される物語でした。

だからこそ、"勇者"とよばれることを誇りに感じられたのです。勇者とは職業ではありません。歩んできた者が到達できる境地なのです。

いやー、「やっぱり『ドラゴンクエスト』って面白かったなぁ、名作だなぁ」と思う今日この頃です。



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