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あいつはとんでもないものをロックオンしていきました。
私の「心」です。

その昔、タイトーというゲームメーカーがありました。いろいろ面白い作品を出している会社なのですが、特にシューティングゲームにおいては、市場の最前線で常に新しいモノを開拓してきた存在です。シューターと呼ばれる一部の戦士しかできないと思われがちなシューティングゲームというジャンル。そう思っている人にこそ、ぜひ一度はプレイしていただきたいと思います。悲壮にして勇猛、儚げにして美しく。『レイフォース』とはそんな作品です。

さあ今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を発掘していこう――。
 




ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、1994年にタイトーが制作・販売したアーケード用シューティングゲーム『レイフォース』。海外では『GUNLOCK(ガンロック)』というタイトルでリリースされています。

この作品のレトロゲーム史における立ち位置は何か。

「ステージ構成を進めるごとにストーリーを感じさせる、演出重視シューティングゲームの1つの完成形」だと、私はみなさんにお伝えしたいと思います。



ストーリーを感じさせる演出重視STGとは?
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1990年代になってからのタイトー・シューティングは、「敵の弾を避けて、弾を撃って、巨大な敵を倒す」という1980年代に確立されたシューティングゲームの基本形に、プラスアルファの要素を付け加えていくことで進化していきました。

このプラスアルファの要素こそが、「カッコイイデモ画面」だったり、「ハードなSF設定」だったり、「ステージ中に出てくる敵の登場演出」だったり、「クールで深淵さをも感じるZUTATA(タイトーの音楽チームの名前)サウンド」だったりしたわけです。

しかしこれらは、1つひとつは際立っていましたが単発モノでした。単調な展開になりがちなシューティングゲームにおいてプレーヤーのテンションを上げる仕掛け止まり。ところが、リリースされる作品を経るごとに、このプラスアルファの要素が互いにリンクし始め、相乗効果を生み出すようになります。

ステージ構成×ステージ内演出×BGMが恐ろしいまでにリンクし、説明らしい説明が表示されないのに、プレーヤーにストーリーを感じさせる。この作戦のキーパーソンは自分なのだと感じさせる。そんな没入感まで作り出すまでに昇華された完成形が、この『レイフォース』なのです。

『レイフォース』にはシリーズとして『レイストーム』『レイクライシス』という作品があり、どの作品もなかなかいい出来なのですが、ストーリーを感じさせる演出重視STGという点では本作が最高峰だと私は思います。

では、『レイフォース』の演出の魅力について説明する前に、本作のバックストーリーを予習しておきましょう。これを知っておくと、ゲームをプレイしたときゲーマーズハイに入りやすくなります。



『レイフォース』のバックストーリー
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食糧不足、資源枯渇、民族紛争、経済危機…。
あらゆる困難と向き合い続けてきた人類は疲弊しきっていた。そんな折、2つの世紀の大発明がなされる。

1つは、“原子配列操作による物質生成”理論による「A.T.B.S.(原子配列操作による物質生成システム)」。これにより人類は不要物などから、より有用な物質を生成する術を得ることとなった。有史以来、常に混沌と争いの種子となっていた資源問題はついに解決されることとなった。

もう1つは、世界のコンピューターネットワークを結ぶシステム。あらゆる研究、施設、知識が一つになることで、科学は飛躍的な進歩を遂げることとなった。そのシステム管理用ニューロネットワークは「Con-Human」と名付けられた。

この2つはリンクされ、人類は絶対的服従者である「Con-Human」に政治・経済・軍事などあらゆることを委ね、争いのない公休の平和を手に入れたつもりになった。

人類はシステムの完成により、自らを神の座"創造の頂点"へと登りつめたと信じて疑わず、機械文明の恩恵を称え、年号を機械世紀――M.C.(Machinery Century)と改定する。

かくして、安寧の100年が過ぎた。

M.C.0108年。
かなり前より断続的なシステムダウンに襲われ、生活環境内でトラブルが続いていた原因がついに発覚する。「Con-Human」である。

人類の絶対的服従者であったはずの「Con-Human」は、突如、人類による一切の操作・命令を拒否。さらに、あらゆるシステムを用いて、人類の虐殺をはじめた。軍は必至で抵抗を試みたが、既に軍事力の大半をシステムに依存し存在は形骸化していたため、その抵抗活動はほとんど意味をなさない。

すべてを機械に委ねていた人類は、そのすべてから攻撃を受けることとなり、人類の抵抗は犠牲者の数を減少させることが精一杯。密かに反攻の機会をうかがっていた。

M.C.0123年。
反攻作戦を水面下で進めていた人類は驚愕の事実を知る。この惑星が以前のそれとは全く異なる物体へと変革したことを認識した。外見はあくまでもかつてのそれではあったが、偽りの地表の内部には、地殻もマグマも存在しなかった。金属フレームと動力炉の稼働音、それがその全てだった。

A.T.B.S.により、地球は「Con-Human」の鋼鉄の身体と化していたのだ。これだけの規模の原子配列操作が数年でできるはずがない。何十年も前から「Con-Human」の侵攻ははじまっており、人類は「Con-Human」は皮膚の上で踊っていただけだった。

事実を知った人類は恐慌状態に陥り、人類史上最大の脱出が開始された。

かくして、半世紀近い月日が流れる。

人類は母なる故郷を捨てて、深淵たる宇宙の最果てを目指す流浪の民となるべきだった。しかし、望郷の念を捨てられない人類は、地球圏にとどまり続けることを選択し、外惑星連合宇宙軍を編成。「Con-Human」との戦いを続けていた。

M.C.0183年。
最大戦力を投じた第一次敵惑星攻略戦を開始。その結果は、圧倒的な戦力差による人類の大敗退となり、外惑星連合宇宙軍は戦力の大半を失うこととなった。その機を逃さんと「Con-Human」は攻撃の手を強め、人類はついに滅亡の危機に陥ることとなる。

M.C.0185年。
最後の希望をたくして、第二次敵惑星攻略戦「OPERATION RAYFORCE」が発令されることとなった。機械生命体である「Con-Human」が絶対に選択しないであろう、もっとも勝率の低い選択。それは、連合艦隊を囮に、試作戦闘機が地球内部に侵入し、「Con-Human」のコアを破壊するというもの。それは同時に、母なる地球を破壊するということであった。

負ければ人類滅亡。勝てれば母星破壊。希望なき未来、それでも光を求めて、戦士たちは最後の戦いへと身を投じる――。

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希望の光、それはロックオンレーザー
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『レイフォース』を語るうえで欠かせないのが、通常武器「ショット」と別にあるサブウェポン「ロックオンレーザー」です。

これは、自機である「X-RAY」の前方にある照準(ロックマーカー)に、自機よりも低空の敵を重ねることでロックオンし、その対象に向かって自動追尾していくレーザーのこと。この兵器の特徴は、最大8機までロックオンが可能であり、一度に複数の敵を撃破するごとに、点数が倍増していきます。

1機なら200点ですが、2機目は400点、3機目は800点、4機目は1600点、5機目は3200点、6機目は6400点、7機目は12800点、8機目は25600点…といった具合。

ゲームとしては、このロックオンレーザーが高得点獲得には欠かせないポイントになります。敵の出現位置を覚えて、ロックオンする順番、発動させるタイミングの精度を上げれば上げるだけ、リターンが多くなるからです。

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また、この一度ロックオンしたらどこまでも敵を追っていくロックオンレーザーの軌跡とそのあとにくる破壊は爽快のひと言。本当に上手い戦士(プレーヤー)の戦闘は、見ているだけで美しいのです。

ゲーム設定での燃えポイントとしては、このロックオンレーザーはM.C.165年に発表された「有機体と無機体の整合性理論」を応用した実験兵器であり、無尽蔵に戦闘機を排出する「Con-Human」に対して、一機で多数の敵を排斥するために、現時点でもっとも有効な手段ということ。

前述した通り、「Con-Human」を出し抜くために「人の手によるテクニック」を多分に要求されるとともに、少数編隊の戦闘機による長時間任務(補給が受けられない)ということもあり、ボムのような大火力ではない繊細な兵器に、希望が託されているというところにグッと来ませんか。

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(ボムってこんな感じ/『究極TIGER』より)

一見すると頼りない、でもウデを磨くことによって大編成の敵に対して絶大な攻撃力を誇る"鉾"となる。そんなロックオンレーザーを携えて、自機「X-RAY」の作戦がはじまるのです。


"彼女"について
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「X-RAY」に搭乗しているこちらの画像の女性パイロットについても触れなければなりません。彼女は人間ではありません。肉体のほとんどを機械化されたサイボーグです。

有人機動兵器は、人間の反射速度という限界、搭乗者の生命や肉体の保護という目的のため、マシン自体のパフォーマンスを最大限発揮できず、それが敵無人機との戦いにおける敗北の大きな要因。そう考えた科学者たちによって、搭乗者のサイボーグ化、機動兵器との接続(リンク)の研究開発が進められていくことになりました。

それが、CYBERNETICS・LINK・SYSTEM=C. L. S.です。

搭乗者をサイボーグ化し、脳を直接機動兵器のコンピューターを始め、センサー、電子兵装等に接続することで人間の反射速度・肉体的限界を上回る効果が得られると考えたのです。

=被検体パイロットレポート=
「その瞬間、私は、機動兵器という肉体で宇宙を飛翔していた!全方向360°の視界、見渡すのではない、一度に全てが見えるのだ。手足を使う必要はない、私が望むだけで機体は旋回し加速する。機体のセンサーは私の五感に、動力炉は心臓に、そして兵装は牙となる!」

この研究は大きな成果が期待されており、M.C.0160年代後半には、実戦投入に向けた試作機がつくられていました。しかし、この計画は中止することになります。

パイロットはやがて「肉体」「人間」といった概念が正確に認識できなくなっていき、被験者は実験中、精神に変調を来たし、実験船を攻撃、その後自爆してしまったのです。事件は隠蔽され、これをきっかけに軍内で、機械と戦うために人を機械化(サイボーグ)する事は倫理的にも問題があるのではないかという声が大きくなり、結果開発は中止。2機存在した実験機体も封印されてしまいます。

ところが、第一次敵惑星攻略戦で大敗退を喫した人類にはもう手がなく、封印されていたC. L. S.と、2機の実験機体「X-RAY」(1P側と2P側という設定)を投入せざるを得なくなったのでした。

本作がいかに、悲壮感あふれる物語なのかがお分かりいただけるでしょうか。


そして、これが『レイフォース』だ!!
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外惑星連合宇宙軍の囮本隊とは別行動で、敵本星リング状小惑星帯から本星突入を試みる「X-RAY」。しかし、ここにも少数ながら敵兵器が待ち受けていた。

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集中砲火を浴びないように、小惑星の地表に沿って進む「X-RAY」。地上に配置された砲台や戦車部隊との交戦がはじまる。

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見よ、これが新兵器ロックオンレーザーの威力!使い方によっては恐るべき攻撃力になりうる実感をパイロット自身も得たようだ。

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「X-RAY」の快進撃を受けて、いよいよ小惑星帯の守護を命じられている敵小型戦艦「DUAL-LANCE(デュアルランス)」が動く。

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「デュアルランス」を撃破し、「X-RAY」は敵本星の衛星軌道まで足を進める。そこには、人類の侵攻を想定した防衛線が張られていた。

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そこはかつて「月」と呼ばれていた衛星だった。しかし、今では「Con-Human」によって、鋼鉄の衛星基地となり果てていた。月面で激しい戦いがくり広げられる。

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衛星内部に突入した直後、衛星内のマグマの中から現れたのは、敵強襲突撃艇「ポセイドン」。無数に配置されている固定中間子砲は脅威だ。

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衛星での戦いを制した「X-RAY」は本星上空で、味方の艦隊と敵艦隊の総力戦に立ち会うことに。しかし、ここまで敵の注意を引きつけてきた味方艦隊の損耗は激しく、「X-RAY」の目の前で全滅してしまう。

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悲しみにくれている暇はない。空間転移機能を有する敵防衛惑星「GUIRA-SOL(ギラソル)」が立ちはだかる。

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大気圏突入。そして雲海を滑降する「X-RAY」に迫る謎の影。複数のマニュピレーターを持つ「ASURA(アスラ)」見参。

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いよいよ見えてくる敵本星の海、そして大地。向かってくる新たな敵編隊。大空を舞台とした戦いがはじまる。

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地上にはいくつもの浮遊大陸が作られていた。敵の猛攻はつづく。


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大型飛行体「GIGA(ギガ)」襲来。惑星大気圏内における敵防空システムの中核的存在であるこいつの攻撃力はあなどれない。

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いよいよ地表付近に到着。低空飛行をつづけながら、地下につながる道を探す。

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敵の攻撃はより激しさを増していく。地下へ通じる道はどこだ!どこにあるんだ!?

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突然、大地が二つに裂けていく。このような大規模変動も「Con-Human」は可能なのか。

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大型四足歩行型機動兵器「G.P.M.S.-2」。「Ground Performed Mad Shell(大地で舞う暴れガニ)」とはよく言ったものだ。

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地表の下には、大規模な地底都市の存在が…!

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間違いない、敵の本体はすぐ近くにいる。ここで負けるわけにはいかない。

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さらなる深淵につづくチューブ内で襲いかかってくる人型機動兵器「ODEN(オーディン)」。その名に恥じぬ鬼神のごとき強さ。

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そして、いよいよ禁断のゲートは開かれる…。


シューティングゲームは、プレイヤーのウデが試されるゲームジャンルです。そして本作はロックオンレーザーの使い方が肝になります。

残念なことに、この作品の熱さはプレイ動画を見るだけの鑑賞では伝わりません。自分が自機を動かすことで、作品とリンクしてはじめて、プレーヤーはこの物語の登場人物になれるからです。

ステージ4くらいまではなんとか行けます。ステージ5の敵の攻撃とかハンパないのですが、回数をこなすことで必ず突破できます。だからこそ、その手でぜひあそんでほしい。そんなシューティングゲームです。


▼多くのファンの心をつかんで離さないステージ1BGM▼



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彼女の身に何が起きたのか――。その結末はあなた自身の目で確かめてください。



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