年代記タイトル
ぜんぶ、音楽のせいだと思う。

「『悪魔城ドラキュラ(X68000版)』がプレイステーションで甦る!」。その第一報を聞いたとき、私たちの研究室は湧いた。しかも、X68000版のアレンジバージョンもセットで付いてくるというではないか。名作の復刻と、最新技術で描かれる最古の悪魔城ドラキュラ。なんてことをしてくれるんだ。と喜んでいたのは発売日前日まで。プレイしてみたら「あれっ?」となりましたとさ。
 



ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、コナミコンピュータエンタテイメント東京から、2001年にプレイステーション用ソフトとして発売された『悪魔城年代記 悪魔城ドラキュラ』です。

この作品は、名作として誉れ高いX68000版『悪魔城ドラキュラ』と、アレンジバージョン『悪魔城ドラキュラ』の2つがセットになっている商品。X68000版は完全移植ではないのですが、かなりいい出来なので、「一度プレイしてみたい」と思っている方はご購入をオススメします。

▼参考までに▼
【名作発掘】 『悪魔城ドラキュラ(X68000版)』――真・悪魔城ドラキュラ、降臨。

今回の記事では、同時収録されているアレンジバージョンについて言及していきたいと思います。

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過度な期待はするな
redline

アレンジバージョンですが、実態を説明すると、そんなにアレンジされていません。

X68000版をベースに新作赤髪シモンのドット絵が乗っている程度。ダメージを受けたら後ろに飛ばない、ダメージ耐性がついている、難易度調整がちょこっとされているくらい。


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ヤバイのは、BGMのアレンジと中間デモのアレンジ。BGMのアレンジは曲だけを聞くと、これはこれでアリという感じ(パーフェクトセレクションに収録されていそうなアレンジ)でいいのですが、ゲームに乗せると、なんというか調和が取れていません。

初代『悪魔城ドラキュラ』:原曲
X68000版:初代の原曲アレンジ ←わかる!
年代記:初代をアレンジしたX68000版のさらにアレンジ ←わからん!

こんな感じで、原曲の面影がほとんど消えてしまっているんですよね。


extra11


もともとのグラフィックがX68000版のもの。美しいグラフィックといっても7~8年前のグラフィックと、2000年代PS時代のBGMが、どうにも不協和音を起こしている印象です。あと、音楽がきちんと再生されないバグもあります。

オープニングデモをよくあるPSCGムービーにしたり、ステージ間の悪魔城内地図を変にPS用グラフィックにしたり。

「何を目指したのか」が不明確なアレンジであり、とても『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』を出した同じ会社の作品とは思えません。このちぐはぐさ、PS版・SS版『SNATCHER』のダメ移植に通じるものを感じています。

おそらくですが、このアレンジバージョンでやりたかったことは、「高難易度で知られているX68000版のイージーモードを作りたかった」ということだと推測されます。

悪魔城ドラキュラのタイトル
(ROM版初代に搭載されたアレ)

んで、その過程で、「ただ難易度調整しただけでユーザーが納得しないだろう」ということで、もう少し手の込んだことをやろうとして、でも予算も人員も期間にも恵まれなかったため、できる範囲のことをやったら、想定以上にゲテモノができちゃった。

こういうことなんじゃないかと思います。


extra10


企画としては、「『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』のヒットで、新規ファンの獲得とコンテンツの復権がなされた今、低予算で売上をつくるための過去作の復刻」ということだったと思うのですが、2000年代のゲームユーザーは復刻版だけでは納得しなかったでしょうし、『月下の夜想曲』から入ってきた小島文美さんのイラストファンとの調整も必要。厳しい着地点にならざるを得なかったのは想像に難くありません。

結果として、このアレンジバージョンは「やっぱりX68000版は神だわ」と比較されるためだけの生け贄になってしまい、「やるとなんかイライラする」といった理由からイージーモードとしてもあまり使われない、かわいそうな存在になってしまいました。

が、気持ちを割り切ってしまえば、ベースがX68000版ですから遊べるし、「これはこれでオツ」と思えてきます。

あたたかく見守りたい、そんな『悪魔城ドラキュラ』です。

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今、この作品で遊ぶには…
redline


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