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今日で続くファイナルファンタジーシリーズの第二作。FF6までのマップデザインやレベルアップにわるパラメーター上昇など、初期FFシリーズのスタンダードを創ったとも言える作品です。クセのあるゲームシステムや最強魔法アルテマが弱いといったことがネタになりやすいのですが、俺は本作の魅力は「世界観」と「登場人物」であると思っていたりします。そんなわけで、今回の記事では「世界観」と「登場人物」の面から『ファイナルファンタジーII』の魅力を語っていきたいと思います。

さあ、今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。

※2019年3月11日04時、画像追加。




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こんばんわ、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。

今回発掘した作品は、スクウェアが1988年12月17日にファミコン用RPGとして発売した『ファイナルファンタジーII』です。すでに何度もリメイクされており、ファミコン版じゃなくてもプレイしたことがある方は多いのではないでしょうか。今回はそんな本作の魅力について語っていきたいと思います。




FF2って、どんな話?
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ファイナルファンタジー2-04

遥か彼方の世界の話。

四方を山に囲まれ、他国との交流を一切拒み続けてきた1つの国がありました。その名は「パラメキア帝国」。強力な軍隊を有していたこの謎の軍事国家は、ある日突然、世界に対して侵略戦争を仕掛け始めます。一国 対 世界。普通に考えれば戦力差によりパラメキア帝国に勝ち目はありません。しかし、皇帝マティウスは異世界に住む悪魔たちと契約を結び、おびただしい数の魔の眷属たちを配下に置き、この戦力差を覆してしまったのです。

瞬く間に、世界各地に魔の軍隊と化したパラメキア帝国軍が侵攻します。国境はやすやすと突破され、最初に被害に遭ったのは辺境の村や町でした。人間の軍隊であれば、占領後の統治という目的があります。しかし、魔物たちにはその考えがありません。人間とは、自分たちが地上を支配する上で邪魔でしかない存在であり、結果、多くの虐殺がくり広げられることとなりました。

この未曽有の危機に対し、各国は反パラメキアを掲げる反乱軍を編成します。フィン王国を中心に反撃のための準備が進められることとなりました。しかし、帝国の侵攻は予想よりはるかに早く、パラメキア帝国と反乱軍はフィン王都で決戦の時を迎えます。実は、反乱軍内部に裏切り者がおり、その者の手によって、パラメキア軍の侵入を許してしまったのです。

反乱軍の士気は決して低くはありませんでした。しかし、パラメキア帝国軍の圧倒的な戦力を前に、反乱軍主力は瓦解。フィン国王は戦死、フィン王国のヒルダ姫の許嫁であった隣国カシュオーンの王子スコットも行方不明。反乱軍はフィン王都を追われ、辺境の町アルテアへの撤退を余儀なくされてしまいます。

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まさに、「決戦」と呼ぶにふさわしい戦いだったのでしょう。反乱軍の大敗によって世人々を絶望し、心を折ってしまいました。戦いに勝利したパラメキア帝国は、フィン王都を占領下に置き、恐怖による世界征服を進めていくことになります。

一方、反乱軍は辺境の町アルテアで反旗の機会をうかがっていました。しかし、状況は思わしくありません。フィン国王に代わってリーダーを務めることになったヒルダ王女には実績がなく、人心を集めるには彼女はあまりにも若く経験不足。何よりも反乱軍の主力は先の戦いで多くの者が戦死しており、今の反乱軍は生き残った寄せ集めの兵士たち。「ここに未来はない」と反乱軍から帝国に投降する者も。組織は一枚岩とは言い難く、いつ崩壊してもおかしくない状態でした。

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圧倒的な劣勢。

しかし、状況は人を育て、変えていくものです。主人公であるフリオニール、マリア、ガイの3人は、ついこの間までただの市民でした。そんな彼らが、反乱軍の希望となり、士気を高め、やがて人々の心に希望を灯し、それはやがてパラメキア帝国を脅かす業火へとなっていく…。

『ファイナルファンタジーII』とは、何者でもなかった者たちが「何者」へとなっていく――そんな物語なのでした。

ファイナルファンタジー2-01


魅力は、キャラクターにあり!
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本作のシナリオは、初期ファイナルファンタジー作品を支えてきた寺田憲史さん、そして後にサガシノーズを手がけることになる河津秋敏さん。少ない文字数ながら、人間臭さを感じるセリフまわしは、本作の魅力の1つです。

わずかな情報の中から垣間見えるキャラクターの個性が、後のファイナルファンタジーシリーズでは見られない、どちらかといえばサガシリーズに引き継がれていく特長として、俺は注目しています。

例えば、主人公のフリオニール。
彼は「ヒルダに恋心を抱いている」ような気配があります。オープニング直後、魔法陣で復活してすぐのヒルダとの謁見で「反乱軍に入れてください!」と懇願するくだりは、帝国への憎しみだけではちょっと不自然なんですよね。「ヒルダのそばにいたい」「ヒルダに認められたい」という心情を当てはめると、なんかしっくり来るんですよ。

ファイナルファンタジー2-02

ヒルダの婚約者であるスコットから「愛している」という遺言を預かりながらも(スコットからヒルダには過去にとらわれず未来を見てほしいという思いからやっぱり伝えなくていいと言われながらも)、ヒルダに伝えないという行動しかり。ゲーム中盤で発生するヒルダの寝室に呼ばれるイベントしかり。フリオニールの中でヒルダの存在が大きいからこそ描かれているものと、俺は推測するわけです。

となるとですね。先にも伝えた「何者でもなかった若者が何者かになる物語」の主人公のエネルギー源は「惚れた女」ということになり、ヘンに世界平和とか祖国奪還とか言われるよりも、ずっと熱いですし、共感できると思いませんか。

個人的に一番熱いキャラクターは、ゴードンです。
彼はカシュオーン王国の王子で、スコットの弟。帝国が攻めてきた時に、恐怖のあまり逃げ出してしまい、そのことをずっと恥じているとともに、自分がしっかりしていれば兄は死なずに済んだという後悔によって、すっかり自信をなくしています。

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正直な話、子どもの頃、俺はゴードンにまったく共感できませんでした。「ウジウジしている軟弱野郎」くらいにしか思っていなかったんですね。ところがですよ。大人になってからプレイしてゴードンの見方が変わりました。彼は自分の失敗としっかり向き合おうとしている男なんです。戦場では逃げてしまったかもしれませんが、精神的には一番つらい事実と必死に向き合っているわけで。苦悩するカッコイイ奴なんですよ。

しかもですよ。ゲーム中盤でゴードンを仲間にすると、弱いんだ。すごく弱い。MP5だぜ。ぶっちゃけ、足手まといなのですが、ゴードンは成長が速い。加速的に使えるキャラになっていくんですよ。天才肌なんですね。挙句、最終的には反乱軍の指導者にまで上り詰めますから。すごい。そして熱い。人はちょっとしたキッカケで大きく変われるんですよ。

ファイナルファンタジー2-11

女海賊レイラも、いいキャラなんですよね。
ヒルダの寝室に呼ばれて、絶対絶命のピンチに陥ったフリオニールを助けてくれるのが彼女なわけですが。助けに入ってくるタイミングの良さを考えると、どう考えても様子をうかがいに行っていたのは確実なわけです。スケベなオッサンじゃないのでメイクラブを聞き耳立てに行ったとは考えにくく、フリオニールに対して何かしらの想いがあるからこその行動なんですよ。

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レオンハルトも、大人になると気持ちがよく分かるキャラです。
田舎生活がイヤでイヤで仕方がなく、東京の大学に進学して、東京の企業に勤めさえすれば、きっと明るい未来が待っている。そんな風に考える人なんていくらでもいるじゃないですか。レオンハルトも同じなんですよ。そして彼には、それを実現できる才覚もあった。皇帝に上り詰めることだってできたんです。でも彼は皇帝マティウスとは異なり、一線は越えなかったんですよ。そういう意味で、強い心を持った奴なんだろうなと、俺は思うわけです。

ファイナルファンタジー2-12

ここで紹介したのは、登場キャラクターのほんの一部。あらためてプレイして、味のあるキャラクターたちを満喫してほしいと思います。「金になるなら反乱軍も帝国軍も関係ない」と割り切っていたシドが、自分の命よりも大切にしていた飛空艇エンタープライズを主人公たちに託す時の、ニヒルなセリフに彩られた男の気概に涙してください。

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くそ弱い主人公たち
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本作は、レベルという概念がなく、武器や防具や魔法には「熟練度」というものがあり、使った分だけ強くなるというシステムです。

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フリオニールたちは、ゲームスタート時、びっくりするくらい弱いんです。どれくらい弱いかというと、攻撃が全然敵に当たらないんですよ。主人公たちが、ですよ。「ミス」ばっかり連発ですよ。今どきのゲームに慣れていたら、ここで挫折してしまうかもしれません。

しかし、想像力を働かせてください。彼らは、ついこの間まで、闘いとはまったく無縁だった市民なんです。そんな彼らが初めて武器を手にしたんです。攻撃が当たるわけがない。でも、何度もやっているうちに、少しずつ攻撃が当たるようになっていく。1回じゃなく、複数回ヒットするようになっていく。どんどん強くなっていくんですよ。

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パーティの4人目が、ゲームの進行に応じて変わっていくシステムも特徴的です。数々の出会いが、フリオニールたちを成長させていく。そう、本作の特徴的なシステムは、「主人公たちの成長」を強く感じられるシステムなんです。

『ファイナルファンタジーII』は、あの頃、最高にカッコイイRPGでした。そして今、人生というフィールドでさまざまな経験値を重ねてきたあなたは、今、本作をプレイして数々のドラマを見ることで、子どもの頃には分からなかった別の「カッコイイ」を、この作品から感じられると思います。


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