PCエンジンハイパーカタログ4-01

『PCエンジンハイパーカタログ』とは、小学館から発売されていたPCエンジン専門誌『月刊PCエンジン』の別冊ムックです。CD-romが付録していており、ここには毎回、近日発売予定の新作ソフトの体験版や予告編が収録されているのでした。特に、今回紹介する『vol.4』は、あの『ときめきメモリアル』の予告編が収録されており、これが結構力作だったりしたものですから、『vol.4』は一時期高値で取引されていました。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を紐解いていこう――。






ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。

今回発掘したのは、小学館が発行していた『PCエンジンハイパーカタログ4』に収録されている『ときめきメモリアル』の予告編です。なぜ、これを取り上げるのか。それは、この話黒変が大変力の入った凝ったものだからです。


1994年という時代とギャルゲー
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当時、PCエンジンというハードは、SUPER CD-rom2をメインストリームとしており、生の音楽が流れ、ちょっとしたアニメーションが楽しめるゲームが溢れていました。そのメディアと相性がよかったため、NECアベニューという会社が積極的にギャルゲーを移植販売していたのです。男の硬派な世界観あふれるSTGを作っていた東亜プランの『ヘルファイヤー』もPCエンジン版はパイロットが2人の女の子になって移植されたときは、さすがの俺も驚きました。

ところが、すべてのギャルゲーの出来が良かったわけではなく、粗悪品も多かったと記憶しています。ユーザーの目からすると、「ギャルゲー=メーカーが安易に売りに走った」と見えていたのかもしれません。そんなとき、『グラディウス』でのPCエンジン電撃参入を果たしたコナミが、『ときめきメモリアル』なんてふざけたタイトルのギャルゲーを出す。その一方が入った時には「マジか!」と驚きました。落胆ですよ。安易に売りに走りやがって…!俺の周りのPCエンジンユーザーたちは、みんな失望していました。

「『マーシャルチャンピオン』の時からおかしかった…」
「もうコナミのゲームは買わない…」


そんな中、俺は少数の購買決定派で、『ときめきメモリアル』には他のPCエンジンギャルゲーとは違う何かを感じていました。でも、それが何か、分からなかったんですよ。しかし、「『ときめきメモリアル』は来る!」と確信したのが、この『PCエンジンハイパーカタログ4』の予告編だったのです。


中身はこんな感じ
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ナレーション:
始まりがあれば、終わりがあるように。出会いがあればまた、別れもあるのです。永遠に続く2人の関係。それはどんなに幸せなことでしょう。ここ、きらめき高校には1つの伝説があります。校庭のはずれにある一本の古木、この袂で卒業の日に女の子からの告白で生まれた恋人たちは、永遠に幸せな関係になれるという伝説が――。


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ドーン


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まさかのカラオケバージョン!歌が入っていません。しかし、そんなことはどうでもいいのです。静止画で見ていただくとよく分かるのですが、コチラ(↑)の数々、バカっぽいでしょ?

そうなのです!これは意図的にダサくしており、「笑い」を取りにいっているのです。自分たちで「恋愛シミュレーション」とか言ってますが、よくあるギャルゲーを作る気なんてまったくなくて、むしろ既存のギャルゲーに対するアンチテーゼとして「ギャルゲー(笑)」を作りにいっている。俺はこのオープニングを見たときにそれを感じて、「やっぱりコナミ!他社にできないことを平然とやってのけるッ、そこにしびれるッ、あこがれるッ」とドキューンしたものです。

ギャルゲーっぽく見せておいて、既存のギャルゲーとは一線を画し、ところどころに笑いがあって、ゲームとしても楽しい高校生活シミュレーションゲーム。これこそが、PCエンジン版『ときめきメモリアル』の本質だと俺は思っています。

『ときめきメモリアル』の不幸とは、世間からは本質とは違う見られ方をされてしまい、恋愛系ギャルゲーという扱いをされてしまったことかもしれません。

ゆえに、PCエンジン版の移植作であるプレイステーション版からは作風が明らかに変わっているのです。ゲームとして目指す方向が変わったというか。PCエンジン版からプレイしているユーザーがプレイステーション版やサターン版、スーパーファミコン版をプレイして感じた違和感の正体は、ここなんじゃないかと思います。実は、ラジオドラマ版の『月刊ときめきメモリアル』のノリは、もっともPCエンジン版の精神を受け継いでいるのでは?と思ったりもするわけです。

さて。

ここからは予告編の続きを解説していきます。


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藤崎詩織:
こんにちは、私は『ときめきメモリアル』のヒロイン、藤崎詩織です。あっ、さきほどのオープニングの曲は、本番では私が歌うことになるので楽しみに待っててね。それでは、これからこのゲームの案内をさせていただきます。

このゲームは主人公の男の子を、高校生活3年間の間に勉強や運動をすることで、私が告白したくなるようなステキな男の子にすることが目的の恋愛シミュレーションゲームです。


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藤崎詩織:
ゲームの進行の仕方としては、大きく分けて、「平日」と「休日」があります。「平日」は主に主人公自身のパラメーターを向上させるため行動を行ないます。画面左のアイコンを選択し、決定することで、上に表示されている主人公のパラメーターが変化します。例えば「運動」のコマンドを実行してみると…


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藤崎詩織:
このように、「平日」のスケジュールは一週間単位で行ないます。そして、次は「休日」です。


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藤崎詩織:
休日は主に、主人公と女の子との仲を深めたり、女の子やデートのための情報を得るための行動を行ないます。

???:
なぁにぃ~。女の子の情報だって?


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早乙女好雄:
それならこの俺、愛の伝道師、早乙女好雄サマに任せてくれ。俺に電話1本くれれば、情報はもちろんのこと、女の子の主人公に対する評価も教えてやるぜ。う~ん、俺っていいやつ。

???:
お兄ちゃーん。

早乙女好雄:
どうした、妹よ。

???:
自分から話していてずるーい。ユミも紹介してよー。

早乙女好雄:
しょうがないな~。じゃあ、こっちに来いよ。


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早乙女優美:
こんにちは!好雄の妹の早乙女優美でーす。ここから先は優美が説明するね。優美が通う私立きらめき高校には、たくさんの行事があって…、たとえばー、えーっとー、うーん、何があったっけ? 優美、まだ学校のことよく知らないから、理事長の孫の伊集院先輩に説明してもらうことにするね。伊集院せんぱーい、よろしくおねがいしまーす。


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伊集院レイ:
フッ、しょうがない。僕の名は平成の貴公子、伊集院レイ。本来ならば、君たちのような庶民が僕と会話などできるはずもないのだが、今日だけは特別に説明してあげようじゃないか。


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伊集院レイ:
いろいろな種目で、僕の華麗さが引き立つ体育祭…


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伊集院レイ:
さまざまな出し物で、僕の知性があふれ出る文化祭…


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伊集院レイ:
そして、わが伊集院財閥が誇る修学旅行…ま、他にもいろいろあるが、それは別の機会に話すとして、今から僕の輝かしい栄光の歴史でも語ってあげ…

早乙女優美:
はーい、伊集院先輩。ありがとうございました!

伊集院レイ:
お、おい。待ってくれたまえ。まだ、話が…


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早乙女優美:
それに、イベントは学校だけじゃなくて、遊園地や…


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早乙女優美:
お祭りや…


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早乙女優美:
お正月とか、日常生活の中にもいろいろあって、背景の絵だけで200枚以上あるんだって。すっごいねー。なんかさっきから詩織先輩ばっかり登場しているけど、優美のもたっくさんあるから、期待しててね!

藤崎詩織:
さらに、私をはじめ、登場する女の子は十数名。


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藤崎詩織:
こんな子や…


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藤崎詩織:
こんな子など、個性豊かな女の子が盛りだくさん!しかも全員が生の音声でお話します。


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藤崎詩織:
ほかにも、シューティングゲームなど、コナミならではのサブゲームのイベントもあります。(Destroy the core!!)

早乙女優美:
いいなー、優美もやってみたいなー。


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藤崎詩織:
これ以外にも、まだまだ秘密のイベントがたっくさんあるので、何度でもプレイして楽しんでね。

早乙女優美:
詩織先輩、詩織先輩!ちょっと聞きたいことがあるんですけど。

藤崎詩織:
えっ、なあに?

早乙女優美:
誰か、好きな人はいるんですか?

藤崎詩織:
えっ…困っちゃったな…そうね…

早乙女優美:
どうなんですか?

藤崎詩織:
実はね…

伊集院レイ:
どうしたのかな?詩織くん。

早乙女好雄:
何してんの?二人で。

早乙女優美:
お兄ちゃんたちには関係ないの!いいところで邪魔ばっかりするんだからー。

藤崎詩織:
ちょうどみんな揃ったことだし、そろそろ締めくくりましょ?

早乙女優美:
うまく逃げたね。詩織先輩。


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早乙女好雄:
コナミから

伊集院レイ:
来年春に発売予定の

早乙女優美:
ときめきメモリアル!

藤崎詩織:ステキな予感、そよ風に乗せて、あなただけに届けます。


PCエンジンハイパーカタログ4-34
早乙女優美:
買わないと、泣いちゃうぞ!(ピュルルルッ)


はい。

これはスゴイ。総じてレベルが高いと思います。ゲームの説明が的確でムダがありません。加えて、テンポがいい。『ときめきメモリアル』の大きな魅力であるキャラクターの良さを、このわずかな時間の中に盛り込むことに成功しています。

さらに、この予告編は全編にわたって、キャラクターがしゃべります。今では珍しくありませんが、PCエンジンのSUPER CD-rom2用ソフトでも、ここまでしゃべるゲームは珍しい時代にこれだけのしている予告編なのです。さらにさらに、この予告編の中だけでもグラフィックが豊富に使われています。キャラがしゃべる、画像がふんだんにある。この2点のアピールを嫌味なく行なっている点にも注目です。

さまざまなゲームの予告編を見てきましたが、ここまで完成度の高い、凝った予告編は見たことがありません。PCエンジン史を語るうえで外せないパーツだと、個人的には思っています。何度も言いますが、PCエンジン版『ときめきメモリアル』はやっぱり別格なのです。

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