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lastarmagedoon
エ モ ノ が い た ぜ !


「モンスター vs エイリアン」などと聞くと、どこぞの映画配給会社がレンタル用に仕入れてきたどうしようもない企画映画…などと思われてしまう今日この頃。しかし、今から23年前の1988年、この阿呆っぽいテーマで、人類の滅亡と再生までを描く壮大なサーガが存在した。その名は『 ラストハルマゲドン 』。

さあ、今夜も、埋もれし歴史の一頁を紐解いてみよう――。






こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士だ。

今回発掘したのは、ブレイングレイによる1988年の作品、『ラストハルマゲドン』だ。終末戦争を意味するハルマゲドンに「ラスト」が付いているなんておかしい?その理由は、エンディングを見れば分かるので安心していただきたい。鬼才・飯島健男(現・飯島多紀哉)氏が贈る、はるか未来における地球の物語。それは、すべてのゲームプレーヤーの度肝を抜くものだった。

▼ やたらカッコイイ戦闘BGM(PCエンジン版) ▼



▼ 飯島節全開のカッコ良すぎるオープニング(FM-TOWNS版) ▼




正義? 悪? そんな概念が一切ないRPG!
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『 ラストハルマゲドン 』の物語は、人類が死滅した後の地球において、これまで地中を住処にしていた魔物たちが地上を我が物としようとした矢先、宇宙より飛来せしエイリアンたちと遭遇!両者は「地上」という楽園を巡ってはてなき戦いを開始する…というところからはじまる。

降伏? 休戦? そんなものは許されない。どちらかが死に絶えるまで続く壮絶な殲滅戦。“種”としての生き残りを賭けた戦争に一切の妥協は許されない。正義? 悪? そんなものもこの作品に存在しない。あるのは、「戦いに敗れて死ぬか」「勝って今日を生き残るか」だけだ。

本作においてプレーヤーの分身となるのは、12体のモンスターたち。「あんな奴らに地上を渡してなるものか!」、「ぶっ殺してやるぜ!」と非常に好戦的な彼らの行動や言動には、勇者としての礼儀、主人公としての正義など微塵も感じられない。戦闘に突入しても「○○○があらわれた!」ではなく、

 エ モ ノ が い た ぜ !

という調子である。

世界の終末後というかなりなヘヴィな世界観と相まって、ジャンル説明に「ダーク・ファンタジー」という言葉すらも生ぬるい。まさに、「ラストハルマゲドン」! もはや誰も読む者がいなくなった黙示録の最終章、その名にふさわしい雰囲気がこの作品の魅力だ。





108枚の石版を探し、世界の謎を解き明かせ!
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『ラストハルマゲドン』の魅力のひとつに、「荒廃した地上の謎を解く」というものがある。モンスターたちが地中で生活をしている間に、かつて栄華を誇った人類は、ある理由によって、滅亡してしまう。それからさらに月日は流れ、地上は人類の文明のカケラすら残っていない死の大地となってしまったのだ。

いや、文明のカケラは残っている。それが、 “石碑” の存在である。モンスターたちは、地上に何者かが残した石碑があることを知る。そこには、人類の身に何が起き、地上に何が起きたかといった真実が記されているのだ。その数なんと108枚

悪意ある人は言う。「アイテムを100枚集めろとかいうゲームは大概クソゲーだ」と。ぐぬぬ、一理ある。たしかに『ラストハルマゲドン』を挫折する理由のNo.1は「108枚も石版を見つけてられねー」というもの。そう、このゲーム、「約50000画面におよぶゲーム史上類を見ない広大なフィールドの中から、ほぼノーヒントで108枚の石板を探し出す」という試練がゲーム前半の“すべて”だったりするのだ。



「そこまでして地上の覇者になる必要があるのか?」。これはゲーム中でのあるモンスターが口にする疑問だ。それに対して、別のモンスターは意義を唱える。「地上に君臨する覇者になるからには、地上で何が起きたのか知
る必要がある。これは避けられない試練だ」と。

なぜ、私がこの何気ないゲーム序盤のやり取りを取り上げたか。それは、この部分こそが『ラストハルマゲドン』終盤で明かされる真実の伏線だからだ。かつてプレイし、結末を知っている人は「ニヤリ」とするだろう。未プレイの方はぜひ、自らの手で突き止めていただきたい。この世界にかつて何があったのか。そして、徐々に明らかになっていく、世界を裏側からコントロールしているエイリアンとは異なる“存在”の思惑を。





2012年、時代はやっとラストハルマゲドンに追いついた!
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『ラストハルマゲドン』は、『ドラゴンクエスト』を代表とするヒロイック・ファンタジーRPGへのカウンターパンチとして生を受けた。その大ヒットの背景には、「竜退治はもう飽きた」的なフツウのRPGだけじゃつまらないというユーザーの心情があったのは間違いない。

そして現在。ゲーム業界は深刻な袋小路に突入している様相だ。発売されるJRPGはどれも「想定の範囲内」で収まるものばかり。また、それを良しとする風土も形成されつつある。こんな時代だからこそ、我々は今一度、神に唾を吐くようなアンチ・ヒロイック・ファンタジーRPG、『ラストハルマゲドン』から学ぶことが多いのではないかと思うのだ。



そして、エンディングで語られる人類が迎えたひとつの終焉。それは、現在、日本ゲーム業界が迎えている状況と酷似していまいか。私はあらためてこの作品をプレイして、死海文書を見つけたがごとき衝撃を受けた。種としての真なる進化にむけて、市場としてさらなる活性化にむけて、一体何が必要なのか。『ラストハルマゲドン』はひとつの答えを指し示している。





店で見つけたら「エモノがあったぜ」と確保せよ!
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最後に、この『ラストハルマゲドン』という作品だが、リメイクが絶望的なのである。理由は権利が複雑化しているため。今後、最新ゲームハードでこの作品を楽しむことはおそらくできない。バーチャルコンソールにも出ていないほどだ。だからこそ、なんとしても今のうち入手しておくことをお勧めする。

▼PC8801SR版▼
ラスマゲといったらこれだろう!と、原典ともいえる作品。キンキン音で奏でられるBGMもなかなかいい感じだ。ヤフーオークションで手に入れるのもいいが、たまにハードオフなんかのジャンク品で300円くらいで手に入ることもあるぞ。

 PC8801SR版


▼MSX2版▼
個人的に、この作品とファーストコンタクトを果たしたのがこちらのMSX2版。「エモノがいたぜ!」の表示から戦闘に移るまで約1分のローディングが石版探し以上に心を負担をかける。だが、MSXPSGの戦闘BGMも捨て
がたい。

 MSX2/2+版


▼FM-TOWNS版▼
今回の記事に際して紹介しているのがFM-TOWNS版。まったくノータッチだったのだが、あの完成度を当時知っていたら借金をしてでも本体ごと買っていただろう。

超・稀少につき売り切れ


▼PCエンジン CD-rom2版▼
おそらくもっとも手に入りやすくプレイしやすいのがコチラ。超オススメ!葉山宏治氏の名曲アレンジバージョンを愉しむサウンドトラックとしての価値も高い。

 PCエンジン CD-rom2版

▼ファミコン版▼
ネタとして押さえておきたい一品だ。

 ファミコン版



終末の時代、“生きる”ということにどこまでも貪欲なモンスターたちが、たび重なるエイリアンとの激戦の果て、失ったものを取り戻していく。それは、架空のファンタジーでは決してなく、すべての大人たちに対するメッセージでもある。大人になった今だからこそプレイする価値がある、というのは言いすぎだろうか。

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